福山市立動物園飼育員ブログ
『静岡へ』
テーマ:ワライカワセミ 投稿日:2017年9月17日
こんにちは。
小動物担当です。
 
9月14日に、ワライカワセミ♂(2016年繁殖の個体)が静岡県の日本平動物園に旅立ちました。

父親をこてんぱんに攻撃してからは、バックヤードで暮らしてもらっていました。
親たちと見分けがつかないくらい立派に成長しました。
 
翌日には、無事に到着の連絡があったので安心しました。
狭いバックヤード暮らしのため、不自由な思いをさせてしまっていたので、無事に移動ができたことを嬉しく思います。



そもそも、なぜ旅立っていったのかといいますと…
彼の親の所有権が関係してきます。
 
父親の所有は、静岡県の日本平動物園。
母親の所有は、福山動物園。
という感じに、所有がばらばら。
 

なぜかというと、父親はお仕事(繁殖)のため福山動物園にやってきています。
これをブリーディングローンといって、繁殖を目的として、動物園に動物の所有権を残したまま、貸したり借りたりすることのできる方法を利用しているからなのです。
略してBLと言ったりします。
 
それで、BLで静岡からお仕事に来ている父親と福山動物園の母親との間にできた子どもたちの所有は、動物園同士で話し合ったりして決めているという感じです。

今回、移動した彼は静岡の日本平動物園の所有のため、静岡に旅立っていったという訳なのでした。(説明が分かりにくかったらごめんなさい)


旅立っていったワライカワセミの活躍を福山から応援しています。
静岡にお出かけの際には、会いにいってあげてくださいね。

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『巣立ち』
テーマ:ワライカワセミ 投稿日:2017年8月31日
こんにちは。
夏休みが終わりました。小動物担当です。
ワライカワセミのヒナの巣立ちです。


巣立ち少し前の8月22日。

8月24日に1羽巣立ちました。

朝、見に行くとすでに地上へ。


もう1羽はというと、巣箱の中にぽつんと。
巣箱の入り口まで行ってみて、展示場をじっと見つめてみるけど…ふたたび巣箱の中に。を繰り返していました。
踏ん切りがなかなかつかない…そんな印象です。


次の日の8月25日にもう1羽も無事に巣立っていました。
こちらの個体が、孵化して間もない頃に巣箱から落ちていた個体のような気がします(あくまで推測です)。


飛ぶのが上手で、声が大きくおねだり上手な8/24巣立ち個体。


親にドジョウをもらう8/24巣立ち個体。


親にマウスをもらう8/25巣立ち個体。


右が8/24巣立ち、左が8/25巣立ち個体。
親と比べると、体が全体的に茶色っぽく、クチバシと尾羽が短いです。


飛ぶのがまだ苦手なためか、地面にいることが多い8/25巣立ち個体。
鳴き声は8/24巣立ち個体と比べると小さいですが、親からエサをしっかりもらっています。

展示場の個体は全部で4羽になりました。
にぎやかになりそうです(鳴き声的な意味で)。

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『孵化のつづき』
テーマ:ワライカワセミ 投稿日:2017年8月18日
こんにちは。
小動物担当です。
 
ワライカワセミの孵化のつづきです。


餌を求められてしまった8月5日。


弱々しさは、もう感じられない8月6日。


寄り添っておやすみ8月7日。


だんだんと羽が生えそろってきた8月10日。


躍動感の8月12日。


マウス2匹目を食べて苦しそうにみえた8月16日。


だいぶワライカワセミらしくなってきました。


いつのまにか個体差が分からなくなりました8月17日。
 
残すは巣立ちだけとなりました。
まもなく巣立ち予定です。

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『産卵のつづきのつづきのつづきのつづき』
テーマ:ワライカワセミ 投稿日:2017年8月3日
こんにちは。
小動物担当です。
 
ワライカワセミ産卵です。(2017年3度目)

ひとつめは6月24日、ふたつめは6月25日、みっつめは6月27日に。
 
産卵から少し時間が流れて7月20日。
3羽が孵化しました。



 

3羽とも無事に孵化。
 

1羽は真ん中だけが割れたこの卵から出てきていました。
器用です。
 

7月22日には、1羽が巣箱から地面に落ちて弱っていたので、保護して、その夜は保育器で過ごしてもらいました。
さらに、孵化した1羽が姿を消しました(ヒナが死んでしまった、もしくは育たないと思った親が食べてしまったのだと思います)。


落下した個体は、巣箱に戻してもアピール不足からか親からエサをもらえずに衰弱→保育器でエサを与える→巣箱に戻す→保育器おかえりなさい
を数日繰り返し、7月25日には巣箱に完全に戻し、親がお世話をしてくれるようになりました。


左がずっと巣箱にいる個体、右が落下した個体。
左の個体の方が大きい。


寄り添っていた7月26日。


右側の個体の体の色が変わってきた7月27日。


ちょっぴり羽が生えてきた8月1日。
 

2羽ともマウスを食べられるまで成長しました。


孵化して約1か月で巣立ちを迎えます。
 
無事に巣立ってほしいです。
夏の日差しよりも熱い眼差しでヒナを見守る担当でした。

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『産卵のつづきのつづきのつづき』
テーマ:ワライカワセミ 投稿日:2017年6月17日
こんにちは。
小動物担当です。
 
今回、先日お伝えしたワライカワセミの産卵のつづきをお伝えします。


孵化予定日の6月5日にひとつの卵で嘴打ちがはじまりました。


午前中に嘴打ちが、午後確認すると1羽孵化していました。
撮影した数時間後に確認すると、ヒナはくねくね動いて元気そう。
ですが、翌日6月6日に残念ながら死亡していました。

 
6月8日、地面にふたつめが落とされていました。
どうやら発生中止卵のようです。
孵化しないので親が見極めて捨てたようです。
 

6月12日に、親たちが抱卵を止め巣箱から出ていたのでみっつめを回収。
こちらも発生中止卵。


抱卵後期になると、親が2羽巣箱に入り抱卵する様子も見ることができました。

なかなか、パンパカパーンと孵化して無事に育っています!とはいかないものです。
ですが、最後の卵を回収してすぐに親が巣箱に出入りしているので、再び産卵が期待できます。
 
心の中でワライカワセミ祭りを開催していましたが、ひっそりと閉幕した担当でした。

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