福山市立動物園飼育員ブログ
「ケープハイラックスのげっぺいくん」
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2020年11月20日

げっぺいが2020年10月4日に亡くなりました。
亨年3歳でした。

これまでげっぺいは、エサをたくさん食べていたのですが、2020年10月1日頃より、エサをあまり食べなくなりました。

2020年10月4日の朝にふらつきが見られたため、病院にて治療をおこないましたが、容体が急変し亡くなりました。

死因は、胃腸の働きが急に悪くなり、体調を崩してしまい亡くなったと考えられます。
死後の検査から、げっぺいは生まれつき胸が小さく、ハンディキャップを抱えた状態だったこともわかりました。


げっぺいは福山市立動物園で2017年7月7日に生まれました。
父親は「ポンタ」です。
「ポンタ」は小動物ゾーンの立ち上げメンバーとして、長年活躍してくれました。


げっぺいは、私たち担当者になぜか馴れていて、展示場に入るといつも近くでこちらを見つめていました。
担当の近くで動いているのは、大体げっぺいでした。


2019年11月に、兄の「トンペイ」とケンカになり、こてんぱんに負けて群れを追い出されてしまいました。
その後はバックヤードで暮らすことになりました。


バックヤードの寝室では日光にあたることができないため、外出用ケージに入ってもらい、日光浴をするのが日課に。


エサの好き嫌いがほとんどなく、いつもよく食べてくれていたげっぺい。
バックヤードに移動してからも、私たち担当に馴れていたため、日々の体のチェックなどをスムーズにおこなうことができました。


ケンカに負けてからは、バックヤードでの単独での飼育となっていたため、不自由に感じたことも多かったと思います。
他の動物園で新しい家族に巡り合わせることを目標としていましたが、それが叶わなかったことが悔やまれます。

動物たちのケンカによって群れを追い出されてしまった個体への、その後のケアと移動先の確保が私たち担当の課題です。


げっぺいのことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。

小動物担当一同

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「げっぺい」
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2020年6月10日
こんにちは。
小動物担当です。


少し前のことになりますが、ケープハイラックスの2017年生まれの子どもがケガをしました。

兄である「トンペイ」とケンカになり、こてんぱんに負けてしまいました。

ハイラックス家族の中で、オスは兄のトンペイと2017年生まれの子どもだけ。
繁殖に伴い、現在のボスのトンペイにとっては、他のオスが家族であっても邪魔な存在となったわけです。

お尻や背中にたくさんのケガを追いながらも、獣医師の懸命な治療により命は助かりました。


結果として、群れを追い出されてしまったため、バックヤードで暮らしてもらうことになりました。
偶然にもこの部屋は、彼の父ポンタが2019年の春まで暮らしていた部屋です。
上の写真は、動物病院を退院後の1枚。お尻や背中にキズの保護シートを貼ってもらいました。


バックヤードでは日光があたらないため、移動用ケージに入ってもらって外出し、担当と日光浴をおこなっていたりもします。


この移動用ケージもまた、父ポンタと担当が長いあいだ使っていた物です。

ちなみにですが、個体識別ができるから大丈夫!という理由でケープハイラックスの子どもたちに名前をつけるのをここ数年さぼっていました。
これを機会に彼を含め、名前のなかったケープハイラックスたちに名前をつけることにしました。

2017年生まれの彼は「げっぺい」
群れで暮らしている2016年生まれのメス2頭は「ういろう」と「さぶれ」に。
おかしの名前でなにかいいものはないかと、担当♀に相談し命名となりました。


げっぺいは、老後を過ごしていた父ポンタとは違い、まだまだ若い個体です。
福山動物園では、屋外の施設で暮らしてもらうことは施設の関係上難しく、繁殖させてあげることも難しい状況です。
そのため、他の動物園へ移動できるところがないか、現在進行形で探しています。


ポンタがいた頃と同じように、何かおいしそうなものを収穫している担当でした。

小動物担当:とし

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『ケープハイラックスのポンタくん』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2019年4月30日

ポンタが2019年4月13日に亡くなりました。
亨年14歳でした。

2018年4月10日より、ほとんどエサを食べなくなり、便は少量しか出なくなっていました。
体が少しずつ動かなくなり、4月12日には点滴をおこないましたが、状態は改善することはありませんでした。

4月13日の朝、日々を過ごした寝室で亡くなっていました。

死因は、老衰でした。
14歳と高齢で体調がすぐれない日もあったかと思います。
ですが、ポンタは最期までしっかりと生きてくれました。


ポンタは広島市の安佐動物公園で2004年9月18日に生まれました。


2010年12月16日に来園し、小動物ゾーンの立ち上げメンバーとして、亡くなったガンコとのあいだにたくさんの子どもたちに恵まれました。


2017年11月に、ポンタの年齢的な衰えにより、群れのリーダーをかけて息子のトンペイとケンカになり、こてんぱんに負けてしまいました。
その後はバックヤードの寝室で暮らすことになりました。

亡くなってしまってもおかしくないような大ケガでしたが、ポンタはたくましく懸命に生きてくれました。


ポンタがバックヤードで過ごした1年5ヶ月。
ポンタにとってはどのような年月だったのでしょうか。
飼育担当としては振り返ってみるとあっという間の時間でした。


寝室では日光にあたることができないため、気温の暖かい日には、外出用ケージに入ってもらい、日光浴をするのが日課でした。


日光浴中に、収穫したてのものを食べるのも日課に。
ポンタは気分屋でエサの好き嫌いが多かったため、今思えば彼が食べるものをいつも探していました。


寒がりだったため、小型ストーブを置いているこの場所が、ポンタの冬のお気に入りの場所でした。


2018年の冬の寒さは、高齢のポンタにとってはきびしいものになりました。春を迎えることができるのか、心配していました。


しかし、暖かくなってきてもエサを食べたり食べなかったりと、体調を心配する日が続いていました。

亡くなる数日前から大好きなサクラを食べなくなっていたので、思えば前兆だったのかもしれません。


4月9日には、2018年の秋ぶりに外出を。この日光浴がポンタにとって最後の外出となりました。


ポンタのファンの方々から、お供え用のバナナとお花、お手紙のプレゼントをもらっています。
最後までありがとうございます。


ポンタは人にとても慣れていたため、彼の寝室に私たちが一緒に入っても怖がることはなく、ケージに入ってもらい日光浴をすることができました。
これから先、現役の動物たちが高齢やケガなどで展示場に出られなくなったときに、ポンタと同じように飼育することができるかというと、そうではないと思います。
その個体にあった飼育方法を探していかなくてはなりません。
私たち飼育担当の今後の課題です。


どこか暖かいところで、自由に走りまわってお昼寝をして、好きなものをたくさん食べて変わらず穏やかに過ごしてくれたらと願うばかりです。


ポンタのことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。

小動物担当一同

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『ポンタ13』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2019年4月10日
こんにちは。
小動物担当です。


ハイラックスのポンタです。


楽しみにしていたサクラを与えると、すぐに食べていました。
かなりお気に入りのようです。


ヨモギも食べていたのですが、最近はあまり気分ではないとのこと。


最近の体重は2,050gくらい。


 晴れて気温が高い日には、外出して日光浴を再開しました。


 気持ちよさそうにしています。


日光浴をしながら収穫したてのクローバーを食べていました。


気温が安定して暖かくなれば、これからは日光浴を楽しめそうです


まだまだ寒い日には、ストーブの横にいるポンタでした。

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『プレゼントバナナ2』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2019年3月25日
こんにちは。
小動物担当です。



ハイラックスのポンタのファンの方から、バナナのプレゼントをもらいました。
今回は、横浜からご来園の方からも。
ありがとうございます(いつもの方からは3つめです)。


いつもよりも少しだけ多くバナナを食べてもらいました。
エサをたくさん食べる日があったり、ほとんど食べない日があったり。
それでも、クローバーはおいしいみたいで好んで食べてくれます。

ポンタの寝室にもチリトリ台を低い位置にひとつだけ設置しているのですが、ジャンプして上がろうとして上がれず落ちることがときどきあります。

かわいいと思う反面、高齢ということを感じる瞬間でもあります。


飼育ブログを通して発信することで、地元の方や遠方の方からもポンタへのメッセージをもらう機会に恵まれています。
ポンタの飼育担当をすることができて、飼育員として恵まれていることなんだと感じています。
彼のことを誇らしく思います。

サクラの開花を心待ちにしている担当でした(食料的な意味で)。

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