福山市立動物園飼育員ブログ
「宮崎へ」
テーマ:パルマヤブワラビー 投稿日:2021年3月31日
こんにちは。
小動物担当です。


2021年3月27日に、パルマヤブワラビーのクワイ♂(2020年7月出袋)が宮崎県の宮崎市フェニックス自然動物園に旅立ちました。


クワイは、タンポポとユリの子どもとして誕生しました。


クワイは他のワラビーたちよりも、短い尾が特徴の個体でした。
(幼い頃に、群れの仲間たちに尾の先をかじられて少し短くなってしまいました)
私たち担当にも良く馴れていたため、体のチェックなどにも協力的でした。


旅立ったクワイのことを小動物ゾーンから応援しています。
宮崎へお出かけの際には、会いにいってあげてくださいね。

小動物担当:とし

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「山口へ」
テーマ:パルマヤブワラビー 投稿日:2020年10月20日
こんにちは。
小動物担当です。

2020年10月14日に、パルマヤブワラビーのポピー(2019年10月出袋)が山口県の周南市徳山動物園に旅立ちました。


ポピーは、東京都の大島公園から来園したワラビーたちの2度目の繁殖の子どもとなりました。


新規個体の計画〜親たちの来園、そして繁殖をして、無事に送り出すことができ、彼らにはとても良い経験をさせてもらっています。
担当として嬉しい限りです。


旅立ったポピーのことを小動物ゾーンから応援しています。
山口へお出かけの際には、会いにいってあげてくださいね。

小動物担当:とし

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「パルマヤブワラビーのボタンちゃん」
テーマ:パルマヤブワラビー 投稿日:2019年12月20日

ボタンが2019年10月29日に亡くなりました。
享年6歳でした。

ボタンはカンガルー病の治療のため、9月中旬から非公開の予備の動物舎で飼育をしていました。

死因は食滞でした。
カンガルー病の治療のために使っていた抗生物質の影響により、消化器官である胃の働きが弱まってしまい食滞に繋がった可能性があると考えています。

ボタンは毎日おこなっていた投薬にも堪えて、エサをたくさん食べてくれていました。
症状も良くなってきていたため、小動物ゾーンの仲間たちのもとへ近々戻すことを考えていたところでした。

カンガルー病とは、カンガルーや小型種のワラビーに一般的に見られる病気であることからこのような名前がついています。(正式には顎放線菌症という病名です)
この病気は、顎の骨が化膿して腫れてしまうことが主な症状です。
病状がひどくなると化膿がひろがり、食べ物を食べることができなくなって亡くなってしまうことがあると言われています。
乾草などの硬いものを食べたときに、刺さったり歯にはさまったりして虫歯や歯茎が化膿したり、展示場の壁などに衝突した際に口腔内にできた傷が化膿することなどが原因とされています。
野生のカンガルーの仲間は主にやわらかい草を食べており、また、体の構造上、非常に傷口が化膿しやすい特徴があることが関係しています。



ボタンは岡山県の池田動物園で2013年7月1日に生まれ、2014年2月13日に来園しました。


亡くなったボーイとの間に、子どものツバキに恵まれました。
ツバキは2017年に沖縄県のネオパークオキナワに移動しています。


2018年の秋には、東京都の大島公園から新しく仲間たちが来園してから彼女たちの暮らすオーストラリアエリアは、ますますにぎやかになりました。


ボタンの病気についての経過説明です。


右顎の骨が化膿して、顎の周辺が腫れてしまったボタン。

福山動物園でのカンガルー病はボタンが初めての症例となりました。
2019年の夏頃に顎が少し腫れていることに気付いたのが始まりでした。
症状に気付いた初期のころは、ボタンを群れからの隔離してしまうとストレスを感じ、エサを食べなくなってしまうのではと思い、群れの仲間たちと一緒に暮らしながら、投薬をおこなっていました。
ですが、他のワラビーたちがいる中での投薬は、私たちが無理をしてしまうとワラビーたちがパニックになってしまうため、私たちの動きが制限されてしまい、順調に投薬というわけにはいきませんでした。
顎がひどく腫れていたことがあったため、麻酔下で検査をし、顎の膿を摘出する処置を複数回おこないましたが、顎の腫れは残念ながら繰り返し生じました。
2019年の9月中頃にはボタンを群れから隔離して非公開の予備の動物舎で飼育をしながら、確実に投薬をおこなう日々がはじまりました。
初期の頃から、隔離して確実に投薬ができていれば違う結果になっていたかもしれないと思うと、残念で申し訳ない気持ちです。


カンガルー病は、予防と早期発見が重要です。
今後、他のワラビーたちが発症してしまう可能性は少なからずあります。
発症した場合は、早急に隔離して投薬をおこない、病状を止めることを目指します。
また、注射を用いて投薬をおこなうことを想定して、ワラビーたちに触ることができるよう、日頃からの触ることへの馴致をしていかなくてはなりません。
カンガルー病の克服が、ワラビーを飼育する私たち飼育担当の今後の課題です。


どこかで日向ぼっこをしながらお昼寝をして、以前一緒に暮らしていたボーイくんとの再会を願います。


ご報告が遅くなってしまい、申し訳ありません。
ボタンのことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。

小動物担当一同

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「出袋ワラビー」
テーマ:パルマヤブワラビー 投稿日:2019年7月10日
こんにちは。
小動物担当です。


ワラビーたちの繁殖のつづきです。


以前にお知らせしていたユリの子どもですが、お腹のフクロから体の一部が出るくらいに成長していました。
ですが、残念ながら4月25日の朝に亡くなっていました。

子どもの体が大きくなっていたとはいえ、まだ体毛が生えていないような未熟な状態でした。
夕方から朝にかけて、何らかの拍子にフクロから子どもが出てしまい、自力ではフクロに戻ることができず、夜の間に降っていた雨で体温が低下し亡くなってしまったようです。

残念な結果となりましたが、ユリの次回の繁殖に期待です。


つづいてはバラ。


ユリに続いての繁殖のバラです。


6月18日にフクロから子どもの顔が出ているのを初めて見ることができました。
ぱんぱかぱーんです。


顔が出ていなくても、足やしっぽはフクロから出ていることが多いです。


暑い日には、フクロの口部分を広げて体温調整をしているようです。


下ではワラビー、上ではワライカワセミが繁殖。
ますますにぎやかになりそうです。


子どもがフクロから外に出るのは、もう少し時間がかかるかも。
しっかりゆっくりと子育てを頑張ってもらいたいです。

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『命名ワラビー』
テーマ:パルマヤブワラビー 投稿日:2019年4月12日
こんにちは。
小動物担当です。


2018年11月に大島公園から来園したワラビーたちのお名前をつけるのをすっかりさぼっていましたので、命名です。


1頭だけの♂の彼はタンポポ。
(右がタンポポ、左はボタン。小動物担当♀はタンポポ太郎と呼んでいます)


♀の彼女はバラ。
(担当は黒バラちゃんと呼んでいます)


もう1頭の♀の彼女はユリ。


ユリのお腹のフクロはぽってり。
フクロの中には子どもがいるようで、フクロがもぞもぞ動いたり、ユリはフクロの中を気にしたり。
もう少ししたら、フクロから子どもの姿が見られるかなと思います。
楽しみです。


ワラビーたちのお名前は、植物にちなんで、そして呼びやすいもので選んでみました。

もりもりエサを食べて、みんな仲良しのワラビーたち。
これからますますにぎやかになりそうです。

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