福山市立動物園飼育員ブログ
『中央トイレの住民』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2017年6月24日
動物園の飼育動物ではないのですが・・・
動物園の中央トイレ(女子側)のお話です。
 
1か月ほど前からツバメの夫婦がやって来るようになりました(*´ω`*)
中で巣を作ってしまうと、フンで汚れてしまったりするので
一応入らないように「のれん?」みたいなものを設置していたのですが・・・
その下を華麗にかいくぐって、ツバメが入って来るようになりました。
 
ツバメの夫婦はせっせと巣材を集めて、巣作りに励みます。

ちなみに巣材は、園内の赤土や、
おそらくサバンナゾーンから失敬してきたであろう乾草、
あとシマウマの糞も混ざっているように見えました(´・ω・`) 

あれよあれよという間に巣が完成し、
あっという間にたくさんのヒナが生まれ・・・


女子トイレは賑やかになっております☆
両親は、何度もヒナたちのゴハンを運んで、トイレを出入りしています。
 
ぶつかりそうになったりしてちょっと皆さんをびっくりさせてしまうかもせれませんが、もう少しの間温かい目で見守ってやってください。
トイレ掃除は大変になるけど、なんだかんだ毎日そっと巣を覗いてほっこりしています❤ 

きっとあっという間に巣立ちを迎えて、いなくなってしまうんでしょうね~
無事に巣立ちを迎えるまで、みんな頑張って!

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『落とし文』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2017年6月11日
こんにちは。
小動物担当です。


オトシブミのゆりかごをワラビー展示場で見つけました。
ゆりかごが落ちていた上のほうを探すと…

(写真拡大)

いました!お仕事中のヒメクロオトシブミです。


オトシブミの仲間は、葉っぱを丸めてゆりかごを作ります。
このゆりかごの中には、卵が1つ入っていて、孵化した幼虫は葉っぱでできたゆりかごを食べて成長します。


成虫になるまで成長することができるスーパーゆりかご。
外敵から身を守り、お食事にも困らないというわけなのです。
 
母親は葉っぱをカットし丸めて自分の体よりも大きなゆりかごを子どもたちにプレゼントします。
子孫を残すための母の愛、母の愛、母の愛です。


どうやらもうひとつゆりかごが完成したみたいです。
 
園内でもオトシブミのゆりかごは見ることができますので、目を凝らして探してみてくださいね。
マクロレンズの必要性を感じている小動物担当でした。

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『カエル』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2016年12月18日
ゾウ舎の奥にある、金属の重たい扉
その扉のかんぬきは、この冬閉める事ができません。

なぜか? 

それは、かんぬきの穴にカエルが冬眠しているから。

もっと良い冬眠場所があっただろうに、なぜここを選んだのだろう・・・。

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『擬態』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2016年9月15日
こんにちは。
動物たちのエサの収穫に園内をうろうろしている小動物担当です。

サル舎の壁に止まっていたとのことで、こんな昆虫がやってきました。


ひょろひょろっと、とてもスマートな体と脚。
ずばり、この昆虫はナナフシの仲間のタイワントビナナフシといいます。
初めて園内で見つけたので、ちょっぴり興奮しました。

このナナフシは、夏〜秋にかけて成虫が現れるので秋のナナフシといえるかもしれません。
たしかに、体の色も秋色な感じがします。(なんとなくです)



名前に「トビナナフシ」と付くくらいなので、ちゃんと羽があります。
羽は薄いピンク色をしていて、飛ぶこともできます。
このように少しイジワルをすると、ゴボウのような不思議なにおいを出すのも特徴のひとつです。
ちなみに、こちらのタイワントビナナフシは外来生物といわれています。
国外では、中国、台湾、東南アジア、国内では本州、九州、南西諸島などに生息しています。
日本の本州の個体群について古い記録がなく、卵を植物に付着させる方法で産卵するため、海外や本州以外の国内から植物などを移入した際に、一緒に卵も入ってきた可能性が考えられています。


ちなみにちなみに、ナナフシの仲間の多くが単為生殖という繁殖の方法をしています。
単為生殖って?????かもしれませんが、簡単にいえばクローンなのです。
母メスは、オスと交尾しなくても、お腹が大きくなり産卵をして、卵から生まれてきた子どもたち(全てメス)は母のコピーで、またオスがいなくてもお腹が大きくなり…という不思議なサイクルで生活をしています。
このタイワントビナナフシも例外ではなく、クローンな繁殖方法をしています。
その為、このタイワントビナナフシはメスしかいないということなんです。
で・で・で・ですが、とても不思議なことにオスはいままでに1頭だけ見つかっているという不思議さしか残らない昆虫なのです。


うーん、ナナフシって不思議ですよね。
園内には、展示動物だけではなく野生の小さな動物もたくさん見ることができます。
展示している動物を観察するときに、足下や葉の上、動物舎の壁などにもご注目していただけると、何か面白い発見があるかもしれませんよ。

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『アオマツムシ』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2016年9月13日
こんにちは。
今回は「ふくちゃん」展示場前の芝生広場からお送りします。
小動物担当です。

芝生広場に、こんなものが隠れていました。

アオマツムシです。

このアオマツムシ、園内でも木で休んでいることをよく見かけることのできる昆虫です。
8月〜11月頃に成虫として現れるため、秋の昆虫のひとつといえるかもしれません。
いつ見ても、きれいな黄緑色をしています!


この個体は、葉のすき間に上手に隠れていますね。
このように、木の上での生活がメインな昆虫です。

ちなみに、こちらのアオマツムシですが、立派な外来生物です。
中国原産と考えられていて、明治時代に東京で見つかって以降、都市部を中心に分布を拡大しています。


「リーリーリー♪」ときれいな声で鳴くのが特徴ですが、この大合唱が騒音被害とされることもあるアオマツムシ。
 
今日も良いものが見れました。
ふと横を向くと、ふくちゃんがゆっくりのんびりしていました。

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