『ケープハイラックスのポンタくん』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2019年4月30日
ポンタが2019年4月13日に亡くなりました。
亨年14歳でした。
2018年4月10日より、ほとんどエサを食べなくなり、便は少量しか出なくなっていました。
体が少しずつ動かなくなり、4月12日には点滴をおこないましたが、状態は改善することはありませんでした。
4月13日の朝、日々を過ごした寝室で亡くなっていました。
死因は、老衰でした。
14歳と高齢で体調がすぐれない日もあったかと思います。
ですが、ポンタは最期までしっかりと生きてくれました。
ポンタは広島市の安佐動物公園で2004年9月18日に生まれました。
2010年12月16日に来園し、小動物ゾーンの立ち上げメンバーとして、亡くなったガンコとのあいだにたくさんの子どもたちに恵まれました。
2017年11月に、ポンタの年齢的な衰えにより、群れのリーダーをかけて息子のトンペイとケンカになり、こてんぱんに負けてしまいました。
その後はバックヤードの寝室で暮らすことになりました。
亡くなってしまってもおかしくないような大ケガでしたが、ポンタはたくましく懸命に生きてくれました。
ポンタがバックヤードで過ごした1年5ヶ月。
ポンタにとってはどのような年月だったのでしょうか。
飼育担当としては振り返ってみるとあっという間の時間でした。
寝室では日光にあたることができないため、気温の暖かい日には、外出用ケージに入ってもらい、日光浴をするのが日課でした。
日光浴中に、収穫したてのものを食べるのも日課に。
ポンタは気分屋でエサの好き嫌いが多かったため、今思えば彼が食べるものをいつも探していました。
寒がりだったため、小型ストーブを置いているこの場所が、ポンタの冬のお気に入りの場所でした。
2018年の冬の寒さは、高齢のポンタにとってはきびしいものになりました。春を迎えることができるのか、心配していました。
しかし、暖かくなってきてもエサを食べたり食べなかったりと、体調を心配する日が続いていました。
亡くなる数日前から大好きなサクラを食べなくなっていたので、思えば前兆だったのかもしれません。
4月9日には、2018年の秋ぶりに外出を。この日光浴がポンタにとって最後の外出となりました。
ポンタのファンの方々から、お供え用のバナナとお花、お手紙のプレゼントをもらっています。
最後までありがとうございます。
ポンタは人にとても慣れていたため、彼の寝室に私たちが一緒に入っても怖がることはなく、ケージに入ってもらい日光浴をすることができました。
これから先、現役の動物たちが高齢やケガなどで展示場に出られなくなったときに、ポンタと同じように飼育することができるかというと、そうではないと思います。
その個体にあった飼育方法を探していかなくてはなりません。
私たち飼育担当の今後の課題です。
どこか暖かいところで、自由に走りまわってお昼寝をして、好きなものをたくさん食べて変わらず穏やかに過ごしてくれたらと願うばかりです。
ポンタのことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。
小動物担当一同