福山市立動物園飼育員ブログ
『ケープハイラックスのおはぎさん』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2018年10月23日

2018年8月9日に生まれた子どもが、10月21日に亡くなりました。

10月中旬頃より、普段よりすこし動きがにぶく、脱毛が見られ、体をかゆそうにしていることが気になるようになりました。

念のため、10月14日に捕獲して検査をおこないました。

皮膚がところどころボコボコと荒れた状態で、ニキビダニがたくさん発見されました。
 
しかしながら、皮膚荒れている箇所が一部だったことと、自力でエサを食べることができていたので、家族のもとへ戻して様子を見ることになりました。

2017年にも同じ症例があり、今回も離乳にともなう体力の低下によるものと推測されました。

体力を維持するために、日中も寝室への出入りを自由にして、寝室の暖房をつけておいたり、高カロリーのペレットをふやかして与えるなどの対策をおこないましたが、次第に活力が低下していきました。

10月21日にはふらつくなどしていたので隔離し保温、ミルクの授乳をおこないました。自力での採餌も見られましたが、回復することなく21日の夕方に亡くなりました。

推測ではありますが、離乳期にはいっていたことにより大人と同じエサへの切り替えが上手くできず、免疫力が低下。
共生しているニキビダニとのバランスが崩れ、ニキビダニが増えすぎて、子どもの体に悪影響を与え、体力を奪われ死亡してしまったと考えています。


この子は、2018年8月9日に生まれました。
母親は一子、父親はトンペイです。
 

担当者の間では、勝手に「おはぎ」という名前で呼んでいました。
 

しっかりもので優しい一子がいつもお世話をしてくれていました。


2年連続して、同じ死因にて子どもたちを亡くしてしまいました。
今後は、離乳期にはいった頃に、定期的に検査等をおこない、このような死亡を防いでいきます。
 
2018年はケープハイラックスの飼育管理の難しさを身にしみて感じることとなりました。
 

この子のことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。
 
小動物担当一同

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