福山市立動物園飼育員ブログ
『ポンタ10』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2019年1月10日
こんにちは。
小動物担当です。 


ハイラックスの「ポンタ」です。


ほとんどの時間を、ストーブ近くのここで過ごしています。 


2018年の年末頃から、じーっと動かずにエサをほとんど食べない日がときどきあります。
おそらく高齢と寒さによるものだと思います。 


最近は、バナナとペレットと小松菜、クローバーは食べるけど他の物はほぼ食べません。 


寒さのきびしい日は、高齢の「ポンタ」にとってしんどいようです。
心配です。 


春が待ち遠しいです。

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『良太郎を悼んで』
テーマ:ミーアキャット 投稿日:2019年1月6日
以前、園の公式Twitterにおいて、ガンを患っていると園長が公表していましたミーアキャットの良太郎が逝きました。

8月末にガンが分かってから、およそ4ヵ月後のことでした。
最期は、獣医師の介助によって安らかに迎えることができました。

最初で最後となりましたが、良太郎のことをお伝えします。


良太郎は、2007年9月19日に千葉市動物公園で生まれ、お兄ちゃんのモモタロスとともに2010年3月28日に福山市立動物園にやって来ました。
全体的にこげ茶色の被毛でタヌキ顔なモモタロスに比べると、良太郎はやや細面で鼻から額にかけての色が淡く、ミーアキャットらしい顔つきの個体でした。

元気な頃は、群れのみんながだらけているなかで、良太郎だけが見張りに励む姿をよく見かけました。良太郎の異変に気づいたのは、2017年の晩秋でした。その頃より下顎が腫れはじめました。下顎の腫れが少しずつひどくなったため、2018年の7月に麻酔をかけ検査しました。ほとんどの歯がなくなっており、わずかに残った歯もひどくぐらついていました。歯肉炎が原因と思っていたそれらの症状ですが、その後も下顎の腫れはなかなか治まらず、8月に2度目の麻酔をかけてさらに詳しい検査をおこないました。その結果、ガンであることが分かりました。
同時に、獣医学的には手の施し様が限られる状態であることも分かりました。 

それからは、悩みと決断の日々でした。 

良太郎にどんな最期を迎えさせてやるか、それはいつで、どうやってなのか、つねに考え続けてきました。夏の終わりにガンが分かって、私たちが良太郎の生の終わりに目を向けはじめても、目の前では良太郎がその時を懸命に生きていました。
そんな良太郎を日々見まもりながら、良太郎にとって私たちにできる最善を選択しようと努力を続けてきました。 

晩秋には、腫瘍が自壊して出血が続き、下顎の骨も溶解・変形し、見た目にはとても痛々しい状態でした。ですが、まだ食欲は維持できており、日中も活動的に過ごしていました。 

厳冬を迎えた頃、ガンによる痛みが良太郎の日常の暮らしへの支障を強くきたすようになりました。 

良太郎の食べる量は少しずつ減っていきました。どんなに食べものや与えかたを工夫しても、良太郎が完食できない日が増えていきました。その頃からは、ガンの影響も加わって、いっきに痩せていきました。12月の終わりには、痛みでうずくまり、それまで聞いたことのない鳴き声をあげた日もありました。
その様子を見て、最期は私たちの判断で、終わりのない苦痛から解き放ってやることを選びました。 

生きるとは何か。
命の尊厳とは何か。
生き物を飼育するとはどういうことか。 

それを見せる動物園は、どうあるべきか。 

良太郎は、その身をもって
様々なことを教えてくれました。 

最期まで頑張ってガンと闘いぬいた良太郎に、心から敬意を表します。 

そして、良太郎を看取ったいま、これが良太郎にとって最良の「生」だったかを、飼育員としてこれからもずっと考え続けていきたいと思います。そこから得た気付きを、残された三頭のミーアキャットたちの飼育にいかしていきます。それが、私たち飼育員が良太郎に最後にしてやれることです。 

皆さまには、元気な頃より良太郎をかわいがっていただき、患ってからはたくさんの励ましをちょうだいしたこと、感謝いたします。 

本当にありがとうございました。 


(写真は、元気だったころの良太郎。みんな仲良し!2016年7月末に死亡したメスのラルクも一緒に。)

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『獣医師より ミーアキャットの良太郎について』
テーマ:ミーアキャット 投稿日:2019年1月5日
 口腔癌と闘い、頑張っていたミーアキャットの良太郎。
病気の発覚以降、心配するこちらを逆に元気づけてくれるほどの元気と食欲を見せてくれておりました。しかし、2018年12月、腫瘍の重症化とともに容体の著しい悪化が認められ、私どもは安楽死を選択いたしました。ここに謹んでご報告申し上げます。
 
 良太郎は、2007年生まれの11歳で、2010年に千葉市動物公園から、当園にやってきてくれました。放飼場に設置したはかりの上に立つことが多く、群れの見張り役として活躍しておりましたが、2018年夏に口腔癌が発覚し、秋からは痛み止めを飲みながら、バックヤードでの隔離飼育となりました。隔離飼育となってからも、毎日寝室の岩に上って見張りをする姿に、私どもの方が元気をもらっておりました。

みなさま、長い間、良太郎を見守ってくださり、ありがとうございました。
良太郎、お疲れ様でした。ありがとう。
 

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『エンリッチメント大賞2018』
テーマ:小動物ゾーン 投稿日:2018年12月27日
こんにちは。
小動物担当です。


12月1日に、東京大学でおこなわれた市民ZOOネットワーク主催の「エンリッチメント大賞2018 表彰式・受賞者講演会」にポスター発表で参加してきました。

2017年には、ボルネオゾウふくちゃんの飼育への取り組みで奨励賞を受賞し、今年は「小動物ゾーンの混合飼育」で一次審査を通過したため、ポスター発表をおこなってきました。

「市民ZOOネットワーク」や「エンリッチメント大賞」の詳細につきましては、こちらを覗いてみてください。
http://www.zoo-net.org

また、市民ZOOネットワークのfacebookにて、講演会の様子や他のポスター発表を見ることができます。ぜひ、こちらも覗いてみてください。
https://www.facebook.com/networkforzooenrichment/


わたしたち小動物ゾーンの掲示がこちら。
以前、ファンの方がプレゼントしてくれた「ボルネオゾウ ふくちゃん20年のあゆみ」も一緒に掲示してPRさせていただきました。 


ポスター発表のようす。
 

こんな感じです。
 
今回は、小動物ゾーンでの混合飼育による行動の多様化や繁殖成功などの効果をあげている点が評価され、また、日常的におこなっているエンリッチメントやトレーニング、高齢動物のケアや情報発信などまるごと全体を評価していただき、一次審査を通過となりました。

地方の動物園のとても小さなゾーンでこのような発表をすることができ、嬉しく、担当者としてとても光栄です。
 

エンリッチメント大賞の応募方法には、一般の方がお気に入りの動物園や水族館での取り組みを推薦する方法と、わたしたち動物園が自分たちを推薦する方法があります。

今回は小動物ゾーンの自薦に加え、一般の方からの3件の推薦があり、一次審査通過となりました。
 
一次審査を通過することで発表する機会が与えられるので、飼育員・学芸員として大きな意義があります。

みなさんの応援はわたしたちにとって必要で励みです。
来年もどしどし推薦をお待ちしています。
 
なお、発表したポスターは入場ゲート横のロビーと小動物ゾーンに掲示しているので、
ご来園の際は、チェックしてみてくださいね。

みんなの小動物ゾーンをこれからもよろしくお願いします。
 

あっという間に、2018年も残り数日に。

今年も1年間、ブログにお付き合いいただきありがとうございました。
 
それでは、また来年。よいお年をお迎えください。

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『ポンタ9』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2018年12月12日
こんにちは。
小動物担当です。
 

ハイラックスの「ポンタ」です。
 

最近の体重は、だいたい2kgくらい。
すこし増えました。
 

ぶれました。
 

めずらしく、ササを食べていました。
気に入っていたハナミズキの落ち葉は、冬になってすべてなくなりました。


今年の外出は11月中旬で最後にしました。
来年になり、再びあたたかくなったら、外出して一緒に日光浴しようと思います。
 

ストーブをつけると、この場所にいることが多いです。


じーっとします。 


あったかそうでした。

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