福山市立動物園飼育員ブログ
『今日のふくちゃん 100』
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2017年10月17日
ついに、『今日のふくちゃん』シリーズは今回で100話目をむかえました!
日頃より愛読して頂いている皆さま、本当にありがとうございます。
 
思い返せば、この『今日のふくちゃん』シリーズは、結核にかかっていることがわかり、闘病生活が始まり、がんばっている「ふくちゃん」や、治療・エンリッチメントなどについて、多くの皆さんにお伝えしたくて開始しました。
この間には、
結核の投薬治療(お尻からの投薬)、食欲の向上(エサの事)、外に出られるようになる、エンリッチメントの種類増加、疝痛(腹痛・便秘)、「ふくちゃん募金」や差し入れ、経口投薬が可能になった、誕生日などなど、いろんなことがありました。
 
 
長かったですが、アッという間でした!
そして今月、「ふくちゃん」の飼育に関して、エンリッチメント大賞2017の奨励賞受賞という、うれしいお知らせをいただきました。
結核治療前から継続しておこなっていたエンリッチメント研究(行動学的アプローチ)や、日本での前例がない中、海外の科学的根拠(科学論文)を元に実施している結核治療、そして、結核治療に際しての支援の輪の拡大などについて評価して頂きました。
多くの皆様のご協力があってこその受賞が出来たと思っております。
本当にありがとうございました。
12月2日に表彰式と受賞者講演会が東京であります。頑張ります!
 
しかし、薬の4剤投与期間が半年過ぎとは言え、まだあと最短でも1年!!「ふくちゃん」の結核治療が続きます!
気を抜くことなく、投薬完了に向けて頑張っていきますので、みなさまのご支援とご協力、よろしくお願いいたします。
 

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『換羽2017』
テーマ:フクロウ 投稿日:2017年10月7日
こんにちは。
小動物担当です。


ちょっぴりお久しぶりでしょうか。
フクロウの「チャム」です。
 
すこし前から換羽がはじまったので、ちょっぴり羽がボサボサ。
夏の間は、フライトトレーニングで活躍をしてくれましたが、換羽中の現在はフライトトレーニングをおこなわず、園内を一緒にお散歩をしています。


最近はお顔の羽が抜けはじめているご様子。

今年も換羽が終わったら、フライトトレーニングを再開予定の「チャム」でした。

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『くり』
テーマ:マレーヤマアラシ 投稿日:2017年10月5日
こんにちは。
食欲の秋、どんとこいこい!
小動物担当です。


「くり」です。
野菜を納品してもらっている方からプレゼントしてもらいました。

今回もマレーヤマアラシに与えてみました。

ぺりぺりと丁寧に皮をむいてから食べていきます。


すごい勢いのバイオくん。(手ぶれです)


「くり」も好みのタイプのようです。
以前、収穫したクヌギの「どんぐり」と一緒に少しずつ味わってもらおうと思います。


秋の味覚、楽しんでほしいです。

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『ケープハイラックスのおちびさん』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2017年10月2日

今年、2017年7月7日に生まれた子どもの1頭が、9月17日に亡くなりました。

同じ日に生まれた、もう1頭の兄弟と比べて、動きがにぶく、ぼーっとしている様子が9月頃から見てわかるようになってきました。
 
9月15日に治療のために捕獲したところ、皮膚がボコボコと荒れた状態で、検査をするとたくさんのニキビダニが発見されました。
 
9月16日には駆虫薬と駆虫用のシャンプーをおこないましたが、9月17日の朝に亡くなっていました。
 
死因は、重度の貧血でした。
エサを十分に食べていなかったことが原因でした。
 
推測ではありますが、離乳期間に入っていたので、母乳から大人と同じエサへの切り替えが上手くできずに貧血につながってしまったものと考えています。
 
※ニキビダニという動物は、人間の顔にもごく普通にいて共生している動物です。
ケープハイラックスも同様にニキビダニと共生していますが、今回のようにたくさん発見されたということは、ケープハイラックスが弱って免疫力が低下したことにより、共生のバランスが崩れニキビダニがたくさん増えてしまい、彼の体に悪影響を与えてしまっていたものと推測をしています。


この子は7月7日の七夕に、もう1頭の兄弟と一緒に生まれました(右側が本個体♂)。 

生まれたころから、おっとりした顔が特徴で、お姉ちゃんたちにお世話をしてもらっている姿をよく見ることができました。
 
展示場に入ると、意外と近いすみのほうや物陰から、こちらをじーっと見つめていることが多かったように思います。
 
のこされた同じ日に生まれた兄弟は順調に成長してくれています。
 
彼らは、体のサイズが小さいため、体へのリスクを考慮し、捕獲して検査をすることは普段ほとんどしません。
 
動きかたや食欲、うんちの状態などを観察することで、彼らに変わったことがあっても分かるようにしています。
ですが、異変に気付いたときには状態が悪く、体のサイズが小さいため、数日で亡くなってしまう場合も少なくありません。
 
ケープハイラックス家族の飼育管理について、改めて考えていきたいと思います。

この子のことをかわいがってくださった多くのみなさまに感謝いたします。
 
小動物担当一同

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『今日のふくちゃん 99』
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2017年10月1日
夕方、今日もお尻からの投薬を頑張った「ふくちゃん」。
室内にはいつものように、好みの果物が隠されています。
最近、「ふくちゃん」は隠してあることがわかっているようで、室内に入るとすぐに探し始めます。
今日は、目線よりも高い所にも隠してみました。

お!リンゴをゲット!!
 
床に置いて与えると、いつもは先にバナナから食べて、リンゴは踏みつぶして体にかけてしまうのに、
与え方を変えると、バナナより先にリンゴを食べ、さらには踏みつぶさず食べました!
 
改めて、私たちの飼育方法が変われば、動物が見せてくれる行動も変化してくることを実感しました。
「ふくちゃん」にとって良い行動を引き出せるように、さらに頑張りたいと思います。
 
※繋留用のチェーンが写っていますが、常時装着はしておらず、室内での治療時のみ、職員の安全確保のために装着しています。

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