福山市立動物園飼育員ブログ
『天使の誕生』
テーマ:コモンリスザル 投稿日:2018年5月31日

ん??かわいいリスザルの写真ですが、
何か背中がもこもこしていませんか???
よ~くみると・・・
 
さぁ、サル舎からうれしいお知らせです。
2018年5月27日、待望のリスザルのBABYが誕生しました!!
お母さんがジャンプしても飛び降りても走り回っても、決して振り落とされることなくその背中にしがみついています。
見ているこっちがハラハラドキドキしますが、お母さんは気にも留めない様子。
お父さんはトクシ君(4才)、お母さんはキーちゃん(4才)のとても若い両親です。
リスザルはご存知の通り成獣でもとても小さく、個体差はありますが体重は800g前後です。
その体から生まれてくる子供なのだから、おやゆび姫くらいの大きさかな?と思いませんか。


こちらの写真、これでも生後2日目の写真です。
こどもが・・・・大きい!
 
ちなみに、単純に人間で考えてみたのですが50kgのお母さんから3kgの子どもが産まれるとしたら子供は母親の約6%の大きさです。
リスザルの場合は800gのリスザルから生まれるこどもはなんと90gほど、人間だと50kgのお母さんが6kg弱の子どもを産むイメージです。ゾッとしますよね。
あまりに小さく弱い個体で体外に出してしまうとその後死亡する確率が高まってしまうので、極力母体の中で大きくしてから出産する戦略なのですが・・・それだけ母体にとっては負担も大きく、かなりリスクの高い出産となります。
 
4月の半ばごろから母親の腹部のふくらみがかなり目立ち始め、日に日に大きくなっていくのでカエルのおとぎ話のようにいつか破裂してしまうんではないか・・・って事はないですが(笑) 
早く生まないとお母さんが出産に耐えられないのではないかととても心配していました。
実際には、夜間に出産があり飼育員が朝確認した時には、母子ともに元気そうな姿がありました。
相当過酷なものだったろうと思いますが、母は強しですね。
とはいえキーちゃんは4才の初産ですし、子供も小さいのでまだまだ気が抜けません。 

是非皆さん、懸命な子育て風景を応援しに来てあげてくださいね♪

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