福山市立動物園飼育員ブログ
『今日のふくちゃん 66』
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2017年4月23日
今日の「ふくちゃん」の更新が少し遅くなってしまい、すみません。
この間、何もしていなかったわけではありません!
どちらかというと、「やったー!!」という出来事がありました。

ボルネオゾウの「ふくちゃん」は結核という病気の治療と闘っています。
結核を治すには、複数種類の薬を口から、もしくは座薬のようにお尻から毎日投与していく必要がありました。
しかし、ある赤い薬だけは、口から投与しないと(飲まないと)効き目がなく、当初「ふくちゃんは」この薬を全く受け付けませんでした。(この赤い薬は苦いですが、いくつかの薬の中でも効果が高いと言われています。)
仕方なく、この赤い薬を抜きに、お尻からの投薬を行なってきました。
そして、つい最近、たまたま口から出した痰を採取して、分析したところ、結核菌が発見されてしまいました。
やはり、赤い薬を使わないといけない!!
とのことで、再度口から薬を食べてもらう試行錯誤が始まりました!

いろんな文献や、いろんな方々に協力して頂き、
なんと! 口から薬を食べてくれるようになりました!!
成功した方法は、“糖蜜と小麦粉を混ぜ合わせ、その中に赤い薬を忍ばせる”というやり方です!!

糖蜜を使っているので、においもよく、甘いものになっています。
毎朝、これを与えていますが、与える前から口をあけてねだる仕草が見られますので、成功と言っても良いと思います。

食べた証は口の中を見れば、一目瞭然!!

赤くなっています。
そして、食べたあとは、お湯を飲ませて、押し流すのが日課です。

最後にお知らせですが、
この赤い薬を食べてくれているときには、尿が赤みがかってしまいます。

展示場で見かけても、薬の影響ですので、心配なされないように、よろしくお願い致します。

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