福山市立動物園飼育員ブログ
『羽化』
テーマ:園内の野生生物 投稿日:2016年5月13日
こんにちは。
今回は西園からお送りします。小動物担当です。

西園には草木がたくさん生えているので、たびたびエサ用にクヌギやササなどを収穫しにやって来ています。

立派なクヌギの木にはおいしそうな葉がたくさん!
過去には、このクヌギのドングリをニホンリスへのおみやげとして持っていったことも。

クヌギの根本付近に「ウロ」を発見しました!
…むむむ!ウロ付近になにかたくさんいますね。

ウロの内部を覗いてみると…
 
あっ!ヨコズナサシガメが集まって羽化していました!
羽化直後の成虫は、全身が鮮やかな赤色なのでとてもきれいです!

羽化をしている個体も発見しました。
幼虫の背中がパカっと割れて成虫が出てきます。
羽化している個体のまわりにいる、羽が短いのは幼虫なので、これから羽化が始まるのかもしれませんね。

ちなみにこのヨコズナサシガメという昆虫、立派な外来生物です。
原産は中国〜東南アジアで、1920年代に物資に紛れて九州に侵入・定着し、現在は東北南部にまで分布を拡大しています。

在来種が捕食され問題になっている一方で、イラガ等の害虫の強力な捕食者でもあるため、生物農薬として害虫の異常発生の抑制にも役立っているこちらのヨコズナサシガメ。

エサの収穫だけではなく、良いものが見れました。
ただ、気になりすぎて4日連続で観察しに来ていたことはひみつ。

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