福山市立動物園飼育員ブログ
『ケープハイラックスのガンコのこと』
テーマ:ケープハイラックス 投稿日:2018年8月17日
小動物担当です。
ケープハイラックスの「ガンコ」についてお知らせします。


ケープハイラックス家族の大きな母として家族みんなを支えてくれていた「ガンコ」ですが、8月13日〜14日にかけて、普段の様子とは違い、展示場でだるそうにしていたり、先日亡くなった「徹子」のように女の子座りのような姿勢で休んでいることが目につきました。

亡くなった「徹子」のこともあったので、8月15日の朝に検査をおこないました。

検査の結果、お腹の中に1頭胎子がいることがわかり帝王切開にて摘出することに。

残念ながら子どもはすでに死亡していました。
その子どもは出産間近まで成長しており、腐敗臭から死後数日が経過していたと思われます。

亡くなった子どもがいたことによる子宮へのダメージが大きかったため、子宮を摘出することになりました。 

手術は終了し、「ガンコ」は麻酔から何とか覚めてくれました。

しかしながら、血液検査の結果からひどい脱水状態。
また、胎子がいたことによる血液循環の阻害のためか、後ろ足を思うように動かすことができない状態が続いています。


8月16日現在では、園内の動物病院に入院し、抗生剤や鎮痛剤などを投薬している状態です。
 
「ガンコ」は私たちに対し威嚇をし、元気そうには見ますが、後ろ足の動きや、血液検査の結果から、いまだに危険な状態です。 

今後は「ガンコ」の様子を見つつとなりますが、退院後はしばらくの間バックヤード(寝室)で隔離飼育をおこないながら、抗生剤などの投薬を予定しています。
 
明日を迎えられるのかどうか心配ですが、飼育担当としてしっかりサポートをしていきます。


小動物ゾーンに無事に戻ってきて、展示場で家族みんなと過ごせる日が来ることを願っています。

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