福山市立動物園飼育員ブログ
『今日のふくちゃん 29』
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2016年10月23日
「ふくちゃん」が体調不良の間、
全国からご心配の声や沢山の励ましの言葉、お見舞いの品、募金などをいただきまして、
誠にありがとうございました。
 
さて、少しずつ食べる量も動きもよくなってきた「ふくちゃん」に飼育員特製のおもちゃを試作して、与えてみました!
ジャジャーン!

使用済みの消防ホースで作ったサンドバック的なものです。
これはホノルル動物園さんが作っていたものを参考に試作しました。
消防ホースを編んだ中には、さらに消防ホースが詰まっています。

これを「ふくちゃん」は、
踏んだり、蹴ったり、持ち上げたり、鼻でつぶそうとしたりと遊んでくれました。



今後、継続して使ってくれて、タイヤに並ぶ遊具になるかどうか経過を見たいと思います。

△ページトップへ

『アビ画伯』
テーマ:アムールトラ 投稿日:2016年10月22日
今日のアムールトラの展示はオスの「アビ」!
私の知らない間に、「アビ」は個展を開いていたようです。

ガラスをキャンバスにする斬新さ!
凡人の私には理解できないくらい天才的な絵画を4点も展示されていました。

横線入れるあたり、こだわってますね~
…と、言っても私にも仕事があるので、

キレイに消させていただきました。

気まぐれ「アビ」画伯の絵画、次はいつ見られるのか?
乞うご期待!!

△ページトップへ

『今日のふくちゃん 28』 ~体調不良の経緯~
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2016年10月20日
9月24日以来、「今日のふくちゃんシリーズ」を更新できておりませんでした。
それまでの間、「ふくちゃん」は体調を崩してしまい、治療等を優先していましたので、更新できませんでした。すいません。
 
9月下旬、「ふくちゃん」はエサを徐々に残すようになり、耳から採血をした結果、軽い脱水と肝機能の軽い低下がみられたので、お尻から輸液(人でいうところの点滴)をして経過をみることにしました。
また、お腹もほんの少し膨れているようにみえたので、疝痛(便秘やガスだまりなどの腹痛)かな?と思い、展示場の中を歩かせて、腸の動きを促す試みもしました。

その甲斐あってか、一時少しだけ症状の改善がみられたのですが、
10月に入る頃には、再度ほとんどエサを食べなくなってしまいました。
お腹もパンパンになっていきました。

(お腹にガスがたまっている状態)

お腹の中で発酵してガスが発生するようなエサや、異物という異物を食べていないのに、お腹にガスはたまっていき、オナラも出ません。
糞も出ていなかったため、輸液もかねて、数十リットルもの液体をお尻に入れましたが(浣腸)、水分は吸収され、糞は思うように出ませんでした。
この頃、肝臓の状態と脱水が悪化していて、以前から治療で投与し続けていた抗結核薬の副作用の可能性も考えられたので、投与し続けなければいけない抗結核薬の投与を断念しました。
(薬の投与をやめても、すぐには発症しないですが、完治するわけでもないです)
副作用もすぐに消えるわけではありません。
早く治れ!!と思いながらも待たなければいけない! そんな状況がとても歯痒かったです。
 
約1週間、「ふくちゃん」はほとんどエサを食べず、ダルそうな目をして、腹痛にたえていました。
輸液、ガスを抜く薬、痛み止め(筋肉注射)も打ちながら、症状が改善するのを待ち望んでいましたが、昼間や夕方に部屋の中で横になって寝ようとする、いつもしない行動が見られはじめ、忍耐力のある「ふくちゃん」でも、そろそろ危ないなと思っていました。
(ゾウは横になって起きられなくなると、重い体重のせいでかなりの負荷が内臓にかかり、死んでしまいます)

多くの職員、関係者が不安をいだいて迎えた翌日、
「ふくちゃん」は頑張って立っていました。
観察をしていると、尻尾が上がったので、おならが出るのか?と思い近づくと、かなりクサい下痢便が私の目の前に流れ落ちていきました。

人生で初めてかもしれません
朝からフンを体に浴びて喜んだことは
 
そして、おならも出ました!
クサいけど、クサく感じないくらいうれしかったです。

その日、少しずつお腹がへっこんでいき、夜には新鮮なバショウやソルゴー、サトウキビなどのエサ(青刈り飼料)を食べ始めました。

(ガスが抜けた状態)
 
その後、徐々に食べる量も増えていき、良い状態のフンも出るようになりました。
また、脱水や肝臓の状態も改善にむかっていきました。

原因に関しては、
抗結核薬の副作用と考えることができますが、ゾウでの前例が少ない中で治療を実施しており、その他の要因も完全には消えないため、特定することはとても困難です。

しかし、それでも体調が良くなって、本当によかった!!!!

今思うことは、
「ふくちゃん」が治療を受け入れてくれて、頑張って耐えてくれたということ、
治療に関して、他動物園の方々にも協力していただいたこと、
そして、多くに皆さまご支援、ご協力いただいたこと、
本当に、本当に、感謝しております。
ありがとうございました。

今後については、
現在も「ふくちゃん」は頑張ってエサを食べてくれていますので、減ってしまった体重を再度増量させたいと思います。
また、結核の治療も治療方法を検討しつつ再開する予定です。
 

△ページトップへ

『換羽のつづき』
テーマ:フクロウ 投稿日:2016年10月10日
こんにちは。
最近涼しくなってきました。小動物担当です。

フクロウのチャムはまだまだ換羽中です。

おでこの部分から顔のまわりを縁どるように羽根が抜けはじめました。

もうしばらく、ぼさぼさチャム 続きそうです。

△ページトップへ

『蒸し野菜はじめました』
テーマ:マレーヤマアラシ 投稿日:2016年10月7日
こんにちは。
蒸し野菜をはじめました小動物担当です。

蒸し野菜はこんな感じです。

メニューはサツマイモ、ニンジン、カボチャです。

ところで、なんでまた蒸し野菜?と聞かれそうなのでざっと説明します。

この蒸し野菜はヤマアラシの♀のモミジちゃんのために作りました。
福山動物園で暮らしているヤマアラシは♂のバイオくんと♀のモミジちゃんがいます。
この2頭は、2016年で18歳とかなりの高齢のおじいちゃんおばあちゃんカップルなのです。♀のモミジちゃんは、高齢のためか以前から上の前歯が伸びずに、下の前歯だけが伸びすぎてしまう状況となっています。
そのため、だいたい月に1度くらいで、モミジちゃんに協力してもらって伸びすぎた下の前歯をちょうどいい感じに切らせていただいています。

その定例行事となっている「モミジちゃん下前歯カット」を前回おこなったところ、なんと!上の前歯が1本抜けてなくなっていました。

これも高齢のためだと思うのですが、上の前歯が1本ない状態だとかたいお野菜がほとんど食べられていないようでした。
これから、冬に備えてたくさん食べてもらいたいのに、このままではエサを食べることも難しい… 
これでは、おばあちゃんの体には冬の寒さは厳しいかもしれない… 

ということで、モミジちゃんでも食べられるようにと、やわらかい蒸し野菜をはじめたということです。
(ざっと説明したつもりがかなり長くなりました)

そして、できあがったのがこちら。
プラス、お水でふやかしたペレットも与えはじめました。
 
♂のバイオくんにも一緒に食べてもらっています。
2頭ともこの蒸し野菜とても気に入ってくれたようで、毎日ほとんど完食してくれています。

高齢動物のお世話は動物園の世界でも大切な問題のひとつです。
たくさん食べてもらって、いつまでも2頭で仲良くのんびり暮らしてほしいものです。

ちなみに上の写真は、朝1番で展示場の水飲みで2頭仲良くうんちしているところ。

△ページトップへ