福山市立動物園飼育員ブログ
『 “ふくちゃん” バースデー!! 届け想い! 故郷のボルネオへ』
テーマ:ボルネオゾウ 投稿日:2014年5月20日
 4月29日は “ふくちゃん”の16回目の誕生日!!
毎年恒例のバースデーイベントを行いました。
バースデーケーキは飼育員の手作り!
今回は “ふくちゃん”の故郷、ボルネオ島を模したバースデーケーキを作成しました。
また、昨年同様、福山名物「うずみ」にちなみ、ケーキの中に野菜や果物を隠しました。


まわりは蒸しイモでコーティングし、上には熱帯雨林を表した小松菜とカシの葉、プランテーションを表したパイナップルのヘタをのせ、
  
横にはメッセージを施し、完成です。
 

なぜボルネオ島の形をしたケーキにしたのか??
それはこの機会に、“ふくちゃん”の故郷ボルネオ島が置かれている現状について、みなさんに知って欲しかったからです。
それでは、ここで “ふくちゃん”と ボルネオ島について紹介します。
“ふくちゃん”は、ボルネオ島で迷子になっていたところを保護されて、13年前に推定3歳で当園にやってきました。

日本では、唯一のボルネオゾウです。

ボルネオゾウは、現存するゾウの中で1番小さな種類のゾウで、野生ではボルネオ島に約2000頭しか生息していません。
ボルネオ島は多くの熱帯雨林があり、いろんな野生生物が生息している島でしたが、私たち人間が原因で熱帯雨林が減少していき、野生生物も少なくなっています。
その原因とは、プランテーションでアブラヤシを栽培するために、熱帯雨林を切り開いたことです。
アブラヤシは安価なパーム油を生産するために必要な植物で、日本人は日頃からかなりお世話になっています。
なぜなら、パーム油は洗剤や化粧品、食用・調理用油、その他多くの商品(スナック菓子やアイスクリームなど)に使用されているからです。
そうした現状の中で、ボルネオ島の自然、野生生物を保護していく活動を行っているボルネオ保全トラスト・ジャパンの『緑の回廊計画』に当園も賛同し、“ふくちゃん”のエサやり体験の参加費を寄付しています。
詳しくは、ボルネオ保全トラスト・ジャパンのホームページをご覧ください。
そして2012年、皆さんのご協力のおかげで、ボルネオ島に“ふくちゃんの森”という名の土地が野生生物のもとに返されました。

ぜひ、このブログを読んで下さった皆様にも、この活動に協力して頂ければと思います。
当園では、“ふくちゃん”のエサやり体験に参加する以外に、園内にあるボルネオへの恩返し自動販売機を利用して頂くと、価格の5%がボルネオ島の保全に使用されるようになっています。

また、改札ゲート付近にて随時、緑の回廊募金を受け付けておりますので、よろしくお願いします。

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