福山市立動物園飼育員ブログ
『慌ただしく過ぎて行った一日のおはなし』
テーマ:アミメキリン 投稿日:2017年7月15日
前回の柑麟(かりん)の出産報告のブログでお伝えしたように、子キリンが生まれた時のことについてお伝えします(^^)
 
…と、その前に!
 

予定よりも出産が早まる気配を感じたのは、5月29日から始まった連日のおっぱいと外陰部の変化が決め手でした。


 
急激な変化前の5月28日の様子。


急激な変化がはじまって2日目、かつ出産前日の5月30日の様子。
 (乳房と乳頭のふくらみと、外陰部のゆるみが分かります) 

そして、5月31日。
午前10時38分。 「出産が始まった」と動物園から電話を受けました。
担当者は、その日休みだったので、この青天の霹靂のような電話を受けて慌てて園に向かいました。



園に到着し、私が実際に確認した柑麟ちゃんの様子がこちら。
柑麟(かりん)の股から、子の足の先が見えています。
 
この状態のまま進展がなく2時間が過ぎ、見守る担当者の不安がどんどん増してきた12時26分、ついに子の頭が出てきました。さらに数分後には、子は口から羊水を吐き出しました。
 

頭が出た様子


子の口から羊水が垂れる様子
 
ほっと一安心する間にも、どんどん子の体が外に出てきて出産は順調に進んでいき、最後は、それまで立ったままであまり動かなかった柑麟が何歩か歩いたところで、子が「どさっ」っと地面に生まれ落ちました。12時32分でした。
 
先ほど羊水を吐いたことで子の生存は確認していたものの、生まれ落ちた子が動いているのを確認できるまでの一分弱は本当に長く感じました。その間も子を何度も舐める柑麟(かりん)の様子に、胸が熱くなりました。
 
そこからは、あっという間。
 
12時59分にはじめて立ち上がろうとし、何度かの転倒の末、13時28分には立ちあがりました。
 

13時42分にはじめておっぱいに吸い付きました。
離した口に、少しですが、白っぽいものがついているのも確認でき、初乳を飲めたことが確認できました。
 
初乳を飲ませた後も、子が飲みたがれば頻繁におっぱいを飲ませてあげ、何度も子の体を舐めてあげる柑麟は、優しい母の顔をしていました。
 
そうして、あっという間に過ぎていった出産の一日。
 
無事に生まれてくれたので、ここからは柑麟(かりん)が安心して子育てできる環境を整えるとともに、子キリンが健やかに成長できるようサポートしていきたいと思います。
 
どうぞ愛らしい子キリンに、ぜひ会いに来てくださいね!

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