福山市立動物園飼育員ブログ
『猛獣舎からのお知らせ』
テーマ:ライオン 投稿日:2017年6月20日
猛獣ゾーンで飼育している、ライオンのオス『ブワナ』。

今年の1月頃、口の中から時々出血が見られるようになりました。

『ブワナ』は現在17歳。ライオンとしては「おじいちゃん」にあたる年齢です。

加齢による歯周病ではないかと考え、抗生剤などを投与しながら様子をみていましたが、3月頃になると顔の左側が腫れてきて、出血も多くなり、餌を残すことも多くなってきました。
 
当園に獣医師はおりますが、こと「歯の治療」に関しては専門外です。

そこで、市内の歯科医院の先生方にご来園・ご協力をいただき、麻酔下にて出血原因とみられる部分のグラグラ状態の歯を抜き、縫合していただきました。
 
これで出血が収まり、食欲が戻ってくれれば・・・と、思っていた矢先、
歯を抜いたとき一緒に採取した歯肉の検査結果が届きました。
 
「歯肉がん」とのことでした。
 
動物園で飼育されている動物は、飼育環境がきちんと整っていれば、野生のものより長生きする傾向にあります。
 
反面、高齢になるにつれて、こういった病気を患う可能性も高くなります。
 
現状としては、治療で根治を目指すのは極めて難しい状況です。
 
現在は、以前ほどの出血もみられず、餌も何とか食べてくれていますが、今後どのような病状の変化があるかは分かりません。
 
『ブワナ』が少しでも長く、満たされた日々を送れるように、私たちにできることをやってあげたいと思っています。
 
皆さまも、どうぞ見守っていただきますよう、お願いいたします。

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