福山市立動物園飼育員ブログ
『たからもの』
テーマ:アミメキリン 投稿日:2017年5月19日

少し前に、諸事情で、キリンのふくりんの部屋の床材を砂に変えました。 

…掃除がとっても大変になりました(^^;
 
糞を手で拾い集め、時には砂に埋もれた糞を探すため手で砂を掘り返したりしています。きれいにしようと思うと40分くらいかかります。

少しでも楽しく作業できるよう、この糞を探す作業をサバンナ担当は『たから探し』と呼んでいます。

丸くころんとした糞を『たからもの』に見立てているのですが、そういえば、サバンナ担当にとっては、丸い糞はまさに『たからもの』だなぁと気づきました。
 
このきれいな糞は、ふくりんが健康であることの証です。そして、ふくりんの健康は、私にとって『たからもの』だからです(^^)
 
さて、ふくりんの健康といえば、蹄のケアのためのトレーニングを始めました。

蹄の問題は、キリンを飼育する多くの動物園が直面する『キリンの健康上の問題』のひとつです。

実は、ふくりんにも蹄の問題が生じています。
今のところ歩行などには異状はありませんが、前肢の蹄にヒビが入ってしまっています。
この問題を解消し、ふくりんがこれから17年以上しっかりと歩いて生きていくために必要な、健康で整った蹄をつくりたいと思っています。
 
キリンの寿命は25歳くらいと言われており、17年というのはふくりんが25歳になるのにかかるおよその年月です。
 
私は心配性なので、今回の蹄の問題に気づいたときには"私がふくりんを看取ることもあり得るのでは…"とショックで呆然としましたが、ふくりんが長生きできるよう今は担当者としての頑張りどころだと思っています。

園の公式Twitterで、園長がキリンのトレーニングを取り上げてくれました。
あの動画の中で、ふくりんがやってくれていた「前肢をキリン自ら差し出す行動」を引き出すことは、前肢の蹄を整えるうえで不可欠だと私は考えています。トレーニングをはじめて約1ヶ月半でここまでくることができました。未熟な私にトレーニングのご指導くださる、大森山動物園の柴田飼育員に心から感謝します!!
 
ですが、きっかけになった蹄の問題はまだ解決していません。
今後は、ひび割れの原因のひとつと考えられる蹄が伸び過ぎた部分を削ったり、ひびを埋めたりできるよう、トレーニングを進めていきたいと思います。 

夏には「ふくりんの蹄の処置をしました!」とお知らせできるよう頑張ります。 

園長ツイートに反応して応援の声を寄せてくださった皆さまにも感謝の気持ちでいっぱいです。私が担当している動物の健康を皆さんが願い、案じてくださっていることも、私にとっては本当に『たからもの』です!
 
ふくりんを応援してくださるいろんな方の思いは、きっとふくりんに届くと信じています!

いつまでも2頭仲良く暮らしていけますように!

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