福山市立動物園飼育員ブログ
『ゆっくりと』
テーマ:ハートマンヤマシマウマ 投稿日:2017年2月12日
まだまだ寒い日が続いていますが、
暦の上では「立春」をすぎ
ゆっくりと春が近づいています。
 
そんな春の近づきにあわせて、
私たちもゆっくりとではありますが日々成長しています。


「オリーブの聴診がしたい」
3班の獣医師さんにそう言われたのは1月中頃のことでした。

そして、それから2週間ちょっと。
シマウマの「オリーブ」は聴診を受けています!!!

今は担当の私だけが
うまく「オリーブ」の行動を誘導することができますが、
私以外の担当職員の指示でもできるように練習しています。

この聴診(を含むあらゆる診療行為)を受けられるよう
動物に教えることを、ハズバンダリートレーニングといいます。
日本語では『受診動作訓練』といったりもします。
 
「聴診するから、こっちにお腹むけてじっとしてて」
シマウマにそう言っても、シマウマにはそもそも人の言葉は分かりません。
 
シマウマたちの行動やコミュニケーションには、
シマウマたちのルールがあります。
 
そこで、そのルールを知って、
シマウマたちがこちらの望む動作をして、
診療や飼育管理に協力してくれるように
ヒトと動物が時間をかけて一つの動作をつくっていく過程を
ハズバンダリートレーニングといいます。
 
これは、捕まえて保定したり、麻酔をかけたりするよりも
動物にやさしい(場合がある)方法であるといわれています。
 
*場合によっては、捕獲・保定、麻酔は絶対に必要な手法です。

さて、上には時間をかけてと書きましたが、
じつは「オリーブ」この動作をたった20分で習得したのです!! 

それなのに聴診ができるようになるのに2週間近くかかったのは、
「オリーブ」よりも、私たち飼育員や獣医師の方が
連携にまごついたからなのでした(^_^;)
 
そんな風にゆっくりと、一歩ずつではありますが、
担当者全員で協力しながら
動物にやさしい方法で飼育できるよう頑張っています。
 
そして、「エイタ」の蹄のケアを可能にするトレーニングも
少しずつですが進めています!! 

「エイタ」のことを気にかけてくださっていた皆さま。
頑張っておりますので、ゆっくり見守っていてください(*^_^*)

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