福山市立動物園飼育員ブログ
『カピバラのマユミちゃん』
テーマ:カピバラ 投稿日:2017年2月7日

「マユミ」が2月4日に亡くなりました。
享年7歳でした。

ここ数年痩せているのが気になるようになり、2016年の秋頃からさらに痩せているのが目立つようになりました。
そのため、「マユミ」のために大好きな笹をたくさん食べさせたり、無麻酔で採血ができるようトレーニングをしていました。
「マユミ」は他のカピバラたちよりは、食べるスピードは遅かったものの、たくさんのエサを食べてくれていました。

2016年の冬になると、後ろ肢のかかと部分がひび割れるようになりました。
今年2017年には、かかと部分のひび割れはさらに悪化してしまい、片側の脚ではかかと内部のクッション材の役割を果たしている部分が露出してしまうまで進行してしまいました。
毎日、保湿用のクリームや抗生物質入りのクリームを塗ってケアをしていましたが「マユミ」は嫌がることなく、治療に協力的でした。
 
亡くなる数日前から、治癒に専念してもらうため、そして他の個体よりも少しでも多くエサを食べ太ってもらうため、「マユミ」を暖かい寝室に隔離して飼育をしていました。
 
結果として、ほかのカピバラたちと一緒に居れないことが「マユミ」にとって大きなストレスとなり、食欲そして活力が低下し2月4日の夜に亡くなってしまいました。
 
「マユミ」の死因は肝不全でした。 

以前より痩せていたことから何らかの病気を疑っていましたが、死後はじめて肝臓の病気だったことが分かりました。
日常的に採血ができていれば、治療ができた病だったかもと思うと申し訳ない気持ちで胸がいっぱいです。


「マユミ」は2010年の秋に「ウタネ」、「かん太」と共に長崎バイオパークから来園し、小動物ゾーンの立ち上げメンバーとして活躍してくれました。
 

「マユミ」は、たくさんの家族、そして仲間たちを支えてくれました。
昨年2016年にうまれた「フクタ」と「しろとりさん」の子どもたちのお世話をとてもよくしてくれていました。
出産の経験はありませんでしたが、子育ての経験はばっちりだったためか、「しろとりさん」は「マユミ」に子どもたちを預けて、お食事お昼寝なんて光景を毎日のように見ることができました。

子どもたちも「しろとりさん」よりも「マユミ」と一緒にいた時間が長かったような気がします。
カピバラたちの中でも、頼れる存在だったのかもしれません。


今後は、健康状態のチェックのため、病気の早期発見のため、のこされたカピバラたちの採血ができるようにトレーニングを進めていきたいと思います。
 
天国では、異母兄弟である「ウタネ」やウタネの娘の「コトネ」と再会していることでしょう。


ファンのみなさま、「マユミ」のことをかわいがってくださり本当にありがとうございました。 

小動物担当一同

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