福山市立動物園飼育員ブログ
『はじめての試み』
テーマ:保護動物 投稿日:2016年6月22日
最近、人知れず新たな試みがスタートしました。
あまり表には出ない、裏側のこと。
 
今年、春に1羽のハヤブサがやってきました。
体重が軽いので、推定ですがオスです(ハヤブサでは体重が軽いのがオス、重いのがメスと見分けることが出来ます)。
さて、この個体は、ひだり翼の腱やじん帯が切れるもしくは損傷している状態でした。

獣医さんの懸命の処置のおかげで、なんとか治療を終えることが出来たのですが、
そのまま野生に戻しても、うまく飛ぶこともできず、エサをとれず、逆にエサになってしまいます。
リハビリ用のケージで飼育していたのですが、地面を走ります。
飛べないのか? それとも 飛ぶ気がないのか?
わかりません。

そこで、野生復帰のためのトレーニングを6月から開始しました。
ハヤブサはハンティングの時、平行に直線を飛ぶのではなく、高い所から落下しながらエサを取りますので、『目標は立体的に飛ぶようになること!!』 です。
リハビリのトレーニングですので、できるだけ飛ばせるようにしなければいけません。
まずは餌付けをし、ジャンプして飛び上がる、平行に飛ぶ、飛ぶ距離をのばす、立体的に飛ぶといったように、レベルをステップアップさせていき、最後は放鳥となります。
これまで、当園では片翼を無くしたハヤブサをトレーニングしたことや、フクロウのフライトトレーニングをしたことはありましたが、ハヤブサを立体的に飛ばすことは初めての試みです!

ハヤブサと一緒にスタッフもトレーニングを頑張って、なんとか野生に戻れるようにしたいと思います!!

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