福山市立動物園飼育員ブログ
『フライングケージの近況報告②』
テーマ:フライングゲージ 投稿日:2013年6月9日


先日、フライングケージ内で産まれた卵について
基本的には「親鳥に任せてみる方針」とお伝えしました。

ですが、親鳥が温めなかった卵は、
どうなっていると思いますか?

実は、ふ化器と呼ばれる機械(下の画像)で
人工的に温めています。


こうして人工的に温めている卵は、
定期的に、光をあてて中の様子を確認します。



光をあてた卵は、こんな風に見えます。
  
 


左側の、何の模様もない卵は、無精卵。
このまま温めていても、ヒナがかえることはありません。

右側の、赤い線がクモの巣状に広がっている卵は、有精卵。
1か月ほど温め続け、うまくいけば、ヒナがかえります。
(この赤い線は、一本一本がヒナの血管になる部分です。)


フライングケージ担当は、ヒナがかえる日を心待ちにするあまり
いまの季節は1日1日が本当に長く感じます。

なお、ふ化器でかえしたヒナは、ある程度大きくなるまでは、
育すう室(ヒナを育てる専用の部屋)で育てるので
フライングケージの中で同居させません。

皆さまに見ていただけるのは秋以降になります。  

ご理解いただけますよう、お願いいたします。

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